ネットショップで物を買うお客さんにとっては送料まで含めた価格が商品の価格となる事を認識していますか?
ネットショップで商品を頻繁にお買いになる方ならそのことは良く解っていると思いますが、意外とそこの部分を忘れて出店しようとしている方も多いのではないでしょうか。
ここ数年スマホの普及とともに一気に市場を拡大してきたネットショップによって配送業社の人員不足やトラブルが急増しているのはご存知ですね。それにより配送業社が値上げに踏み切り送料がこの1年で高騰しています。ネットショップ創成期から成熟期に向かう頃、各配送業社はその配送市場を奪い合うのに値下げ競争を繰り返していました。ある大手物流企業では、大口契約の業者向けですが重さ大きさに係わらず(限度はありますが)東京から沖縄まで1個380円で配送を請け負っておりました。このような値下げ競争により価格破壊された送料を利用できたネットショップは、その負担も少ないことからこぞって送料無料を謳って販売していた時代があります。いつしかネットショップでの買い物は送料無料が当然という感じになってしまいました。当時お客さんに送料負担を求めていたZOZOTOWNがなんで「無料じゃないの?」と云われたことに「送料取ってあたり前だろ」と社長がつぶやいたことで炎上するという騒ぎもあったほどです。
その“通販は送料無料”というのを作り上げてしまったのはAMAZONです。日本進出にあたり市場を開拓し独占するため採算度返しで全商品送料無料の展開を始めました。これで一気に勢力を伸ばしたAMAZONでしたが、最初に大口解約を結んでいた佐川急便が大変な割に利幅が無いとここから撤退するなど、安い料金で配送する事に無理が生じてきました。こうした流れによってヤマト運輸らが値上げに踏み切ったことで配送料金が正常化?へ向かい始めたのがここ1年ちょっとの出来事です。
それまでざっくり全国一律料金に近かった配送料は、本来当たり前なのですが重さ大きさ、配達先までの距離などで細かく区別された料金を求められるようになりました。特に値上げ幅が大きかったのは、サイズでいうと160と云われるものを超える大きさのものです。サイズが大きい箱は、トラックの荷台に載せる際に積み込みスペースの効率を乱すとうことで嫌われ、以前と比較すると価格がとんでもなく上がりました。また特殊車両が必要で温度管理が大変な冷凍冷蔵商品の配送料も高騰しています。前置きが長くなりましたが、販売したい商品が大きい物や冷凍冷蔵品の場合、ご自分たちの商品がその高い送料を含めても販売するに値するものなのか充分考えて見てください。オリジナル商品でそれをネットショップでしか販売しないものならば、ある程度商品に送料を含めた形で価格設定をして全国一律送料〇〇円とすることも出来るでしょうが、店頭販売や業販で販売している商品では同じものなのに価格が違うというのも出来ないでしょう。
送料をお客さんが負担しても購入したい商品なのか逆の立場に立って考えることも必要だと思います。送料設定も出店戦略の重要な要素です。
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